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「キャラクターデザイン」で求められている仕事は何なのか?について

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イラスト商品でたまに見る、「キャラクターデザインがない場合は別料金」。

三大地雷クリエイター検知器のひとつとして「キャラクターデザイン費の設定」をあげさせていただきましたが、今回はなぜ地雷認定しているのかについて詳しく説明させていただきます。

※三大地雷クリエイター検知器についてはこちらをどうぞ。

今回は「キャラクターデザイン」で求められている仕事は何なのか?について解説させていただきます。

結構きつめなことを書いていますが、本当にわかっていない人が多いので、キャラクターデザインの仕事を引き受けたことがある人は一回自分のやり方を見直してみてほしいです。

プロの現場のやり方についても解説しているので、「本当に自分はお金もらって作業するに値するのかな?」と見直してみてください。

(イラストレーターはお金をもらってイラストを描いている時点でプロだと思います。紹介しているのは大手企業のガチプロ案件での事例ですが、クライアントから見たら規模はどうであれ依頼先は「プロ」という認識を持たれていることに変わりはないので、このレベルの仕事を求められていると思ってください。)

前提条件として

猫戸すずさんはイラストレーターを安く買いたたきたいんですね!と言われてもおかしくないような内容を書きますが、そもそもこの件は「イラストレーター側がキャラクターデザインの仕事の内容を理解していない」ことに発端があります。

デザイン一発ポン出し押し付けのイラストが欲しいなら、クライアントはリアルの人間に描いてもらう必要はなく、自分でAIイラストを出力するだけで済みます。つまり、人に頼る必要もない。

実際、イラスト生成AIを使うと

AI利用者すず
AI利用者すず

こういう髪色、こういう髪質で、この目の色のキャラクター描いてください!

いわゆる呪文と言われているやつがそれですが、そのへんを指定するだけで「そのへんのデザイン要件を満たしたイラスト」を出力できます。AIの場合はいきなり清書のしっかりした感じのやつが出力されますし、人に頼む場合と違って1ヶ月待つとかいったこともありません。(猫戸すずはリサーチのために実際にAIイラストの無料アプリを入れて出力してみました。1枚あたり1分かからずに出てきますし、依頼書を書ける人ならすぐに自分の思い通りのイラストを出せるようになります。)

Steamなど人の目に入る場所では「AIイラストを使用した場合、どこに使用したかを申告しなければならない」みたいになっているので、ちょっと不便なところもあります。ですが、そうではない場合はこれで十分です。

特に個人使用用の観賞目的とかだったり、ある程度のイメージをつかむためのイラストを出させるならこれで事足ります。

コミッションとしてイラストレーターに頼んでいる人は、これでは不十分だから依頼をしている。

まずこのことを理解した上で、読んでください。

問題なのはこのタイプ

キャラクターデザイン費を取っておきながら、デザイン一発ポン出し押し付けの人です。

もう少し正確に言うと、「キャラクターデザイン費を請求しているのに、きちんとデザイン案を出してからラフ制作に取り掛からない人」です。

なぜ問題なのか?というと、キャラクターデザイン費という名目でお金を取っているのに、厳密にはキャラクターデザインをしていないからです。

キャラクターデザインの仕事ってなんだ?

キャラクターデザインの仕事ですが、

「そのキャラクターの設定に合わせてクライアントと相談しながら一人のキャラクターを作ること」

です。

これはもう実際の事例を見てもらった方が早いと思います。というわけで、インタビュー記事いくつか紹介します。

一例目

まずひとつめ。こちらは社内デザイナーの事例です。

『FFXIV』のキャラクターや衣装はこうやって作られる! 『FFXIV』ファンフェス 開発パネルリポート | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
フランス・パリで2019年2月2日~3日(現地時間)の2日間開催された『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンイベント“ファンフェスティバル 2018-2019 in Paris”。そこで開催された開発パネルをリポート!

FF14のキャラクターデザインの過程が紹介されているインタビューです。1ページ目の「ヨツユ」の事例はネタバレはないので未プレイが読んでも大丈夫です。(2ページ目は別のキャラクターのデザイン事例が紹介されているのですが、こちらはそこそこのネタバレがあるので注意。)

特に最初のところですね。

おおまかな設定状態で発注が来る、というのはコミッションのイラストレーターさんでも同じだと思います。ただ、

最初に出してきたデザインとして4案画像が出ていますよね?

最後に完成デザインが出てきていますが、この4つの中にそのままのものはありません。最初の4案は何かしらの理由でNGになっています。

もうこの時点でデザイン一発ポン出し押し付けとは違ってますよね。

また、後半3Dモデルにすると動けないからダメ、みたいな話も登場します。最近はVtuberさんでもモデルを3Dにする!という方はたまにいらっしゃいます。Live2DやIRIAMでも動かす影響でデザインに制約がかかる場合は多いです。Live2Dはモデリングまでイラストレーターさんがやる場合がありますので、イラストレーターさんがわかっている場合の方が多いですが。

2ページ目はちょっとネタバレがある都合上「みんな読んで!」と大声では言えないですが、イラストレーターさんに読んでいただきたい部分があるので、該当部分だけ引用しますね。

 ローブやドレスならいくらでも描いていたいという生江氏は、多数のラフを披露。袖や袖のバリエーションなどは、公開したラフの倍以上あるらしい。この中から採用作を選ぶ吉田氏だが、「これを選ぶと、ほかを使わなくなるということで、申し訳ないという気持ちになった」とコメント。これに対し生江氏は、「デザイナーはアイディアを出すのが仕事なので、そこは大丈夫!」とプロらしい言葉を返した。

上記インタビューの2ページ目

(文中に「倍以上」とあるが確か合計で20ラフくらいはあったはず……。後日装苑のインタビューを受けたときに1キャラに対しそれくらいの数のラフがあると公言していました。)

ラフを選ぶどころか選ばせない人が多すぎるんです。

流石にこの例みたいに20ラフも出す必要はないですが、せめて2案は出しましょう。

二例目

あともうひとつ。こちらはフリーのイラストレーターさんが企業案件に関わった事例ですね。

コミッションのイラスト依頼だとこちらのほうが近い事例だと思います。

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ライザのアトリエのライザ誕生秘話です。ふとももでかなり話題になったキャラなので、ファンアート描いたことあるよ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こちらは「前面ラフ制作→前面が決定したら背面も制作→広報用のイラスト(いわゆる全身立ち絵)を制作」といった流れで制作されていたようです。

インタビュー中にこんな話が出てくるのですが

デザインを決める際は,5種類ぐらい用意して「好きなのをどうぞ」みたいな方も多いんですけど,トリダモノさんは基本的に1本勝負なので,複数のパターンがあるこの絵は珍しいですね。

上記インタビュー

これを「いわゆるデザイン一発ポン出し押し付けか……?」と思わないでいただきたいです。

その直前に「違う方も多い」って書いてますし、何よりこれがそのまま決定イラストのラフではないですよね。このデザイン、最終版ではほぼほぼ変わってます。つまりこのあとリテイクを食らいまくったということです。

ここで問題にしている「デザイン一発ポン出し押し付け」というのは、キャラクターデザイン案として1案だけ出してくる人のことではなく、「キャラクターデザインをしてください」と言われているのに清書のイラストのラフイラストとして突然デザインが出てくる人のことです。

https://www.4gamer.net/games/461/G046147/20190726026/screenshot.html?num=031

だいたいこれくらいの完成度のラフイラストでいきなりデザインが出てくることが多いです。ちなみにこの画像はいったんデザイン完成として制作した広報用イラストのカラーラフ。(詳しくはインタビュー本文参照だが、このあとさらにデザインが二転三転していま見慣れているライザのデザインが完成する。)

インタビューしっかり読むとわかるんですが、このラフイラストってかなりあとのほうの工程で出てきたイラストなんですよ。一度このデザインに決定するまでに何回も何回も描き直していますし、そこに至るまでのラフの枚数もすごいことになっています。(しかもここから一回全没になっている。)

ちょうどこの例では別の事情で全部描き直しになっていますが、ポン出しをした場合「クライアントが気に入らない」という理由だけでだいたいこれくらいの作業量を求められても文句を言えないです。(実際他のキャラのデザインでは出した案が気に入られなくて出し直しになっていますが、ここまでがっつりしたイラストとして仕上げていないのでまだやり直しがききます。)

あなたはどう思いましたか?

プロの事例を2つ見ていただきましたが、どう思いましたでしょうか。

キャラクターデザイン費を取っている人、このレベルの仕事をできていますか?

どちらもキャラデザ担当者が誰って公表されている案件で(いま引用した範囲でも文中に出てきていますよね)、いわゆる実績公開案件に当たります。

特にアトリエはキャラクターデザイン担当のフリーのイラストレーターさんの名前を前面に出した売り方をしているので、アトリエのキャラデザを担当したっていう理由で一気に知名度がのびたイラストレーターさんはいっぱいいらっしゃいます!

実績公開を要求している人(つまり自分の作品と世に出すことを要求している人)はこのレベルを求められると思ってください。

今の雑な仕事で胸を張って「この仕事やりました見てください!」と宣伝できますか?

事前にヒアリングしてくれるならまだマシですが、そうじゃない人もかなり多いのです。というか、そうじゃない人の方が多いです。

相当な工程数をぶっ飛ばしてドンドン勝手に制作を進行して、クライアントに「作ったからこれに合わせてね!直さないからね!」と言っている人があまりにも多いんです。実際にキャラクターにあっているイラストかもわからないし(あっていないことの方が多い)、それどころか指定通りのデザインになっていなくてガチで怒られて全部制作しなおしとかも普通にあります。

クライアントから「ポン出しでいいよ」と言われている場合もありますし猫戸すずもそういう指定で依頼したことはあります。キャラクターデザイン費を取っていない場合はここまでする必要はないと思います、ポン出しでいいです。

ただ、キャラクターデザイン費を取っている場合はキャラクターを作るところから担当するわけですから、先程のインタビューにも出てきた通りデザインのアイデアを出すのが仕事です。なのにその仕事を放棄してお金だけもらおうとか考えているのがダメなケースです。

イラストの結構あとのほうの工程でいきなりデザインを出してこられることが多い=修正ができないことがほとんど、さらに納期に余裕がないことも多いので、クライアントはイラストレーターが適当に出してきた実はちょっとズレてるイラストに対して「イメージ通りです!」と言ってそのまま進めさせているケースもちょくちょくあります。この場合クライアントは結局納品されてからもモヤモヤしっぱなしで、納期と予算に余裕がある場合他のイラストレーターに描き直してもらっているケースもあります。当然そのイラストレーターにはリピートはありませんし、せっかく作っても作品を使ってくれないので、イラストレーターにとってもいいことなしです。

猫戸は何が言いたいんだ?と言われそうなので要約

一枚絵のキャラクターデザイン費を取っている人は高確率で地雷な理由を改めてまとめますが、地雷の理由は「必要な打ち合わせや認識のすり合わせをせずデザインを押し付けてデザイン費を取っているから」です。

特にココナラでは提案数ってのが確認できますが、2案とか3案とか書いているのに実際には1案だけって人も多いです。(最初から1案だったら文句言わないですよ、ただ2案ってなってるのに1案はおかしくね?って話です。)

猫戸すずはキャラクターデザイン費を取ること自体を否定しているわけではありません。ですが、取ってもいい・払ってもいいと感じるのはプロがやっているようなことをやれていればという条件つきです。

何度か三面図から依頼したことがありますが、ちゃんとデザインから制作するということを理解している人が多い印象です。なので、「キャラクターデザインの仕事の意味を理解しているか」の判断基準として、「三面図の商品を設定している」を基準にしています。キャラクターが必要なときはそういう人に頼んでいます。

そして何より、三面図が制作されていることでだいたいの角度・構図のイラストを描くことができます。背面のイラスト頼まれてるけど背面見えないから想像で描くしかない…!といったことにはなりません。

どうしてもキャラクターデザイン費を取りたい場合

キャラクターデザイン手間かかりすぎるからお金取りたい!という人はこうするしかありません。

  • 三面図の商品を用意する(キャラクターデザイン費込みで料金設定をする)
  • 一枚絵の商品はキャラデザ費込で値段を設定する(そのかわりデザイン完成済みの依頼が来ても割引はしない)

以上の商品を用意しておき、1枚絵のところに「キャラクターデザインから必要そうなしっかり打ち合わせしたほうがよさげなクライアント(いわゆるVtuberや自作ゲームのキャラクター、全身立ち絵でもIRIAMの配信用などの場合)」が来たら「三面図からお願いしますね☆」と誘導する、もしくは三面図とセットで見積もりをします。

料金は跳ね上がると思いますが、こうしたほうがイラストレーターにとってはリテイクが減るしクライアントにとってはイメージ通りのものが納品されるしでおそらくお互いにとってハッピーです。

一枚絵商品急に値上げしても怒られない?と心配になると思いますが、「一部のオプションを廃止し、基本料金に含めました」みたいにしておけば大丈夫です。そうやって基本料金を値上げしている方は結構いらっしゃいます。

キャラクターをイチから担当する場合、一気に三面図まで作っておいた方が後が楽です。この理由はもう一回同じデザインで依頼する!となったときにスムーズに進むからです。

三面図って設定資料集とかをしっかり読み込んだことがない人にとってはなんだそれ?ってなるようなシロモノなので、ちゃんと「その場合は三面図作っておいた方がいいと思います」みたいな感じで説得してみると予算に余裕がある場合はOKが出るかもしれません。(というか、あとから三面図が必要になってもう一回依頼するとか、そうなるケースの方が多いです。それならもう最初から作っといた方がいいよね!という、それだけのお話です。)

三面図が描けない場合は「三面図は描けません」とか「Live2Dパーツ分け立ち絵はできません」みたいにしておいた方がいいです。これくらい書いておけばキャラクターイチから生み出す仕事はしてないんだな、というのは伝わります。

おわりに

キャラクターデザインの仕事はコミッションでよくあるデザイン一発ポン出し押し付けとは全然違います!

コミッションのイラストレーターさんは没ラフを出すことに対して慎重になりすぎている人が多いです。良くも悪くも「絵を描きたくない」「最低限の作業でお金が欲しい」「AIに使われそう」というのが丸見えになってしまっていることが多いのです……。

デザイン一発ポン出し押し付けでいいなら、AIイラストを使えば済むだけの話です。わざわざイラストレーターに手描きのイラストを頼む必要がありません。

今はAIイラストでいいやってなって依頼しない人間も増えている時代です。人間だからできることってなんだろう?というのも忘れないでください。

キャラクターを頼みたい場合はちゃんとキャラクターデザインとは何たるかを理解している三面図出品をしている人に三面図を描いてもらうところからはじめてください。

Live2Dパーツ分け立ち絵を「Vtuberスタートセット」みたいにして売っている人の場合、だいたい三面図も提供内容に入っています。これは、キャラクターデザインをするに当たって三面図が必要だと理解しているからです。

雑に処理されたイラストって、見ててわかりますからね。これ一夜漬けなんだろうなとか、そういうの。素人ほど他の人のイラストをたくさん見ているので、逆に気付かれやすいです。

悲しい悲劇をなくすためにも、キャラクターデザインのありかたについては一度考え直してみてください。考え直してほしいからちょっと過激な気もしますがわりと世間のクライアントで言われていることをまとめて記事にしました。

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