コミッションで絶対に避けるべきタイプのクリエイターがいます。
どれだけファンであっても、画風が好みでも、こういうクリエイターの場合は絶対に避けた方がいい。そんなクリエイターです。
猫戸すずの経験上、こういう人はたいていはトラブルになります。
避けるべきはこんな人
ズバリ、「お金にがめつい人」です。
クリエイターの場合は、何かにつけて「お金」を要求する人。具体的には
キャラクターデザイン費を設定している
複雑作画料金を設定している
クリエイターの手数料分までクライアントに負担させている
このあたりは要注意です。あまりにもトラブルが多いので、猫戸すずはこの3項目を「三大地雷クリエイター検知器」と呼んでいます。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo13.png)
こういったクリエイターともやり取りをしたことが何度かありますが、たいていはロクなことになりません。
コミッションで片手で数えられないくらいのクリエイターとやり取りをしてきた猫戸すずの経験上、この3つのうち「どれかをひとつでも」オプションとして設定している人はほぼ100%何かしらのトラブルを起こしています。3つ同時に設定している人も結構いたりしますが、その場合は地雷の中の地雷なので声をかけないほうがいいレベルです。
コミッションは「よほどのことがない限り」基本料金で全て対応できるのが基本です。
「オプション」が「ほぼ必須」扱いになってしまっているクリエイターが結構います。避けるべきはそういう人です。
それぞれ解説していきます
先ほど例に出した「キャラクターデザイン費」「複雑作画料金」「クリエイター手数料加算」について解説していきます。
ポイントは「作画人数」「納品枚数」が増えているかどうかです。商用利用や実績非公開などを除き「作画人数」「納品枚数」が増えていないのに追加料金を取られているケースがあり、そういうケースはたいていロクなことになりません。
キャラクターデザイン費
キャラクターを考えるという工程が増えているのに値上げをするなだなんて猫戸すずさんはクリエイターを安く買いたたいてるんですね!……ということではありません。
キャラクターデザイン費まわりでのトラブルが多い原因ですが、実際の作業量に対して明らかに値段を取りすぎている人がいるんです。しかもデザイン費を取っている人に限って値段に対してデザインのクオリティが見合っていないケースもかなり多いんです……。
ここでトラブルの原因になりやすい項目にあげさせていただいた理由は上記の点が理由です。作業量に対してぼったくりすぎ。
特にアイコンなど作業量が少ないものほど注意が必要です。
イラスト制作会社のサイトに目安の値段が書いてありますが、
![](https://nekodosuzu.com/c2Y4exV8/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/debfe2d5fc88b8c661489e5bef23e07a.jpg)
アイコンのところを見てみてください。コミッションは個人ですので個人のところを見てください。コミッションサービスの相場より安くないですか?
この価格はデザイン費抜きだとこれくらいから、ということです。サイトを見ればわかりますが、キャラクターデザインの相場は別に記載があります。
相場やコミッションの手数料なども加味して、アイコンの値段として許せるのはどれだけコミッションで売れているイラストレーターでもデザイン費込みで7000円くらいまで。この値段を超えるようならぼったくりかも?と思ったほうがいいです。少なくともコミッション経由で頼む金額ではないです。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
値段のわりにクオリティやネームバリューがイマイチなぼったくりの可能性が高いので、ここではこれくらいの金額、としています。
値段が高いこと=悪ではありませんが、相場よりかけ離れすぎている人は地雷率が高めなので、要注意です。
なんならリンクを紹介した制作会社は個人の案件も請け負っているようなので、ここに書いてある金額目安を超えてくるようならイラスト制作を専門にやっている会社にも見積もりを出してみることを検討していいくらいだと思います。実際、コミッション経由のアイコンで2万円とか言ってくる実績のないイラストレーターさん本当にいるので……。
キャラクターデザイン費で注意が必要な場面いくつかあげます
それでは、ここから具体例をあげていきます。
まず、「三面図」など資料を別途に描いてくれる場合は除外します。
「三面図」というのはキャラクターの「正面」「背面」「横面」から見てどういったデザインになっているかを示したイラストのことです。
アニメやゲームの設定資料集を買ったことがある人であれば一度は見たことがあると思います。
資料を作る分作画人数が増えているので、これは仕方ない。色塗りはシンプルなケースもありますが、そうではない場合全身立ち絵を三人分描くのとほぼ同じなので全身立ち絵三人分の料金を取られても文句は言えません。
ここで要注意なのは「三面図なし」でキャラクターデザイン費を取っている場合です。
その中でも特に気を付けたいのは「あなたの方から全部指定した場合」。
「完全お任せで!」とかならともかく、「髪色は黒で、VTuberの猫戸すずさんみたいな髪型でお願いしますね!(猫戸すずの画像が添付されている)」とかに対して「髪型デザイン料金」を設定してくる人がいます。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo13.png)
過去にキャラクターの特徴を全部指定して指定部分全てに参考資料もつけたのにデザイン費を基本料金の50%分取られたことがあります。
しかも設定画なし一発描きで納期当日納品でパクリデザインだったという悲劇……
上のイラストですが、(主にパクリデザインの部分について)著作権的にちょっと、いや、かなりグレーで使えないので、後日別の人にほぼ同じ指定で描き直してもらいました。結局そのイラストはお蔵入り。
キャラクターデザインに関してはデザイン費の支払いを要求されたらラフ画の前にキャラクターのデザイン案を提示してもらうなど必ず資料性のあるものを一緒に納品してもらうようにしてください。
まぁ、それでもキャラクターデザイン費を設定している時点で高確率でぼったくりなのでだいたいはロクなことにならないですけど……。
キャラクターデザイン費が原因のトラブルはぼったくりに関係するものが大半です。このパターンについては値段に見合うだけの作業量を提示することでトラブルはある程度避けられます。
一番いいのがキャラクターデザイン費が基本料金に含まれている人に頼むことであることは言うまでもありません。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
キャラデザとすでにあるものを描くの、どちらも労力という点では一長一短だと思います。
キャラデザだけ料金上乗せする人が多いですが、キャラデザの労力よりも持ち込みのキャラを描く方が大変なケースも往々にしてあります。
デザインがすでにあるものの方が楽じゃね?と思う人もいるかと思いますが、デザインがあるものにはデザインがあるもの特有の苦労があります。デザインがすでにあるものだと、自分が得意じゃないモチーフが入っていてよく確認せずに受けてしまって描けないものが多めで苦労したとか、自分が見たくもない地雷を描かされるとか、デザインを間違えて描いてクライアントに怒られたとか、デザインの労力以上に失敗したときの損害範囲が大きいし、絶対に失敗できないプレッシャーがかかりますので、デザイン持ち込みの依頼は逆に難しいんです。
すでにデザインが完成している依頼は、キャラクターの命を預かっているようなものです。デザイン間違ってるテキトーな手抜きイラスト納品されたらそのキャラのこと自体が嫌になったりするもんなんです。言い方悪いですが、すでにデザインが完成しているキャラのイラスト依頼をきちんと仕上げられないということは、キャラクターの留守番を任された見ず知らずの他人が留守番中に勝手にキャラクターを殺してて、帰ってきたら血だらけの死体が転がっているような感じです。(病院で医者が医療ミスで人殺したら謝罪案件で大ニュースですよね。それと同じようなことをしてしまっていると考えてください。)
末恐ろしいことに、イラストレーターさんでそういうこと平然としちゃう人結構いるんですよ。かといってかわりのデザインを用意してくれたり、お金返してくれたりとかいったことはほとんどないですし、そのキャラクターは戻ってきません。あなたが適当に依頼を片付けた、というだけでキャラクターに対してのクライアントの一生の愛情が消えてしまうことも多いのです。
そう考えると、得意分野がハッキリしている人であればあるほど、キャラデザを自分で自由に考えて描くほうが(苦手なものを頼まれる確率が減るので)楽だと思います。他人のキャラを描かせてもらう、ということはその描かせてもらうキャラの命を預かるようなものなんです。自分でキャラデザする(つまり、キャラに命を与える)方が圧倒的に楽なのは言うまでもありません。
というか、設定画の用意なしでキャラデザ料金を設定している人は「持ち込みの依頼は逆に難しい」ということを理解していない人だと思われます。責任の重さをわかっていない・他人のキャラの命なんてどうでもいいと思っている人の可能性が高めなので、たとえデザイン持ち込みをする場合であっても見送ったほうがいいと思います。
ぶっちゃけると、料金統一している人はキャラデザがない場合はキャラデザ費・持ち込みの場合は「絶対失敗できない依頼」に対する心労代として設定していると思っています。
複雑作画料金
まず、これについては「武器」「手に持たせるタイプの小物」「背景」「何かしらの差分」などについては除外します。
このへんは人間ひとり描くだけじゃないし、差分系は「納品枚数」が増えます。描写範囲と扱いは同じなので追加料金がかかるのは必然です。
問題になるのは作画コストに対して料金を設定しているケースです。
「ロングヘア」「フリル」「和服」「アクセサリー」などの作画に対して料金を設定していることがあります。
「美容院のロングヘア料金」は「ロングへアからショートヘア」にするときの労力は「ショートヘアからショートヘア」に比べて半端ないし、シャンプーやヘアカラーの必要量も段違いなので原材料費の観点から見てもまぁ仕方ないところはあります。
絵具やコピックを大量に使うアナログイラストではないにも関わらず、「ロングヘアのキャラです」というだけで500円だか1000円だか加算するクリエイターがいるんです。
他に遭遇した例だと、服にフリルがついていてフリルを描くだけで2000円とか……。(めちゃくちゃたくさんついている地獄みたいなやつではなく、シンプルなやつです。)
最初から全部込みで設定しているクリエイターに頼むことをおすすめします。特にそのクリエイターがキャラデザインから担当する場合はデザインの幅が狭まるため特に悲惨なことになりがちです。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
イラストの作業量や内容で値段が変わるのは仕方ない部分はあります。ただ、料金表が出ているコミッションではおかしいということです。
めちゃくちゃ複雑なものを描くものとして最初から上限の一律金額を基本料金としておいた方が料金トラブルが少ないので、慣れている人ほどそうしてます。
デザインを担当する場合に問題になることが多く、デザインで付け加えたいけどお金もらっていないから……とシンプルなものを提案せざるを得なくなったり(結果的に納品物のクオリティが落ちている)、自分が苦手なのに複雑作画料金をとってしまったからそれに見合うようなデザインを提案しようとして作画崩壊を起こして怒られたりとか、本当に多いです。
「苦手です」「描きたくないです」というなら「描けないもの」に入れておいた方がいいです。その方がお互いにとってハッピーです。
クリエイター手数料加算
これは論外!
景品表示法違反ですのでいつコミッションサービスのアカウントが停止されてもおかしくありません。
商品説明に書いているならともかく、勝手に加算されているケースがあります。
依頼前に「クリエイターの名前」でウェブ検索し、他のサービスに登録しているかを確認してください。もし登録している場合、他のサービス(特に直接取引)の料金と同額かもちゃんと確認してください。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
登録サービスによって商品内容を変えている人がいますが、これはOKです。
問題になるのは「同じ内容なのに値段が違う」ケースです。
「新サービス登録しました!実績稼ぎのためにこの件数までセールしてます」など理由があって安い場合は大丈夫です。ダメなのは「手数料を理由に安くしている場合」です。
こちらも実際にアカウント停止に発展した事例があります。
※詳細はこちら。
手数料が気になるのであれば「つなぐ」でだけ活動して他は登録しないとか、やりようはいくらでもあります。高い手数料が課されているプラットフォームをわざわざ選んで登録しておきながら、その維持費をクライアントに負担させようとする人は「つなぐ」に登録していても間違いなく地雷です。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo13.png)
手数料が気になるのであれば、クライアントに負担させるのではなく手数料を下げる努力をしてください。
自分で努力をせずに誰かに負担させている人にわざわざ払うお金はありません。払わなくていい他の人にお願いします。
手数料を別に加算させている人はつなぐに登録済みであっても高確率で地雷です。つなぐで探している場合はSKIMAとココナラのアカウントが登録されていないかも必ず確認し、値段設定を確認すること。もし値段が違う場合は最優先で避けることをおすすめします。
見極め方
まず、商品情報に「複雑作画料金」「手数料が22%分かかります」などが書かれている場合はその時点で検討リストから外してしまって大丈夫です。間違いなく地雷です。
「キャラクターデザイン費」はケースバイケースですが、三面図の商品設定がない場合はおそらく地雷なので見送りましょう。(キャラデザから頼む場合は三面図から頼んだ方がメリット大きいよ!とは言っておきますが、それでも通常イラストがキャラデザ費なしで料金設定がされている上で三面図の商品登録をしている人が優先です。)
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo33.png)
「キャラクターデザイン費」「複雑作画料金」「クリエイター手数料加算」
この3つは三大地雷クリエイター検知器だと思ってください。やってる人はたいがいまともじゃないです、まともな人ほどやったときのリスクを知っているので絶対に手を出しません。
このへんが特に書かれていないことを確認して見積もり依頼を出して、「料金表から自分で計算した想定金額より金額が高い場合」は要注意です。
特に「理由なくオプションが勝手に発生している」「書かれていないオプションが加算されている」といった場合、そのクリエイターは諦めて別の人を当たりましょう。
想定金額は書かれているオプション通りに計算した金額のはず。これこれこれのオプションでいくらであっていますか?と見積もりに書いてしまうのもアリです。
それはアナタもですよ!
クリエイターと同じで、「お金にがめつい」クライアントは嫌われます。
具体的には、理由なく値切る人。
「基本料金」から値切ってはいけません。「基本料金通り」「想定したオプションがついている」のであれば言い値で買いましょう。
そうでない場合は文句を言って見積もり辞退してもいいと思います。たいていはロクなことにならないので。
優良クリエイターでよくあること
優良クリエイターはオプションの数が少ないです。そのかわり少し値段が高めになっています。
値段が高くなっている理由はキャラクターデザイン費や複雑作画料金、クリエイター手数料を全て加算した価格を基本料金として提示しているからです。
え、じゃあキャラクターデザインなしの既存キャラ描くだけの依頼だったら割り引くの?と思うかもしれませんが、割り引きません。心の中で「簡単な依頼なのにこんなにお金もらってごめんね」と思いながら基本料金で受けます。
最初からオプションコミコミのわかりやすい値段設定になっているため、お金に関するトラブルがほとんどありません。結果的にトラブルが少ないし、「追加料金もらわないと描けないな……」といったことが起きないので幅広くイラストを描くことができます。その結果、クオリティの高いものが完成しやすいんです。
まとめ
その内容であれば「基本料金」で大丈夫です!
ではその金額でよろしくお願いします!
といった形で始まる取引は本当にお互いにとって気持ちがいいです。
そういった取引ができるクリエイターを探しましょう。
「少しでも高額で依頼を受けようとするクリエイター」「理由なく値切ろうとするクライアント」はどちらもロクなことがありません。
三大地雷クリエイター検知器にはマジで気をつけてください。猫戸すずの経験上、本当に地雷しかいないので。