これから活動していこう!何かを売ろう!
そう思い立ったときにおそらく最初にやる作業が「値段をつける」こと。
自分の商品にどれくらいか値段をつける。多くの人は「自分の実力相応かな?」とか「値段相応のクオリティを確保できるかな?」とかそういったことを心配すると思います。
ただ、それ以前の問題になっているケースが往々にしてあります!
コミッションサービスでは値段の付け方によっては「有利誤認」となり「法律違反」となるケースがあります。たいていのサービスでは「法律違反」は利用規約違反でもありますので、サービスが使えなくなる可能性もあります!
今回はその原因となる法律である「景品表示法と有利誤認」について説明させていただきます。
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場合によっては法律違反として訴えられる・措置命令が入る可能性もあります!
必ず確認しておきましょう。
そもそも、購入者から見て値段ってどう見えるの?
購入者からサービス検索画面を見たとき、あなたが「基本料金」としてつけた値段が「サービス画像の1枚目」の画像の横について並んでいます。他の人の商品と一緒になって並んでいます。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo0.png)
自分の商品が外からどう見られているのかを見るためにも、自分が使っているサイトの商品検索画面は見ておいたほうがいいです!
ここでの価格は「オプションを除いた基本価格」。「オプション」は商品画面詳細に進むことで確認できます。
SKIMA・ココナラなど多くのコミッションサービスでは「値段でサービスを絞り込める機能」が実装されています。このとき絞り込み対象となるのもまたこのオプション価格抜きの「外から見えている価格」です。
![すず](https://nekodosuzu.com/images/suzu0.png)
なるほど、自分がつけた値段がついた状態でそのまま商品棚に並ぶんですね!
……で、なんでこれが法律違反になる可能性があるんですか?
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
その外から見えている「自分がつけた値段」ではサービスを全く提供しておらず、実際の基本料金はさらに高額になっているケースがあるためです!
このあと法律を踏まえた上で具体例を説明していきます。
このコミッションサービスでの「値段の見え方」を理解していないと、無意識に「有利誤認」をやってしまうことになります。
続いて、「有利誤認」についての説明をさせていただきます。
コミッションをするなら知っておきたい「景品表示法第五条」の話
「有利誤認」は景品表示法第五条によって禁止されている行為です。法令の条文を引用させていただきます。
(不当な表示の禁止)
第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
不当景品類及び不当表示防止法|e-Gov法令検索
ソシャゲ界隈にいる人であれば「消費者庁コラボ」という言葉を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?そのときに問題になったのもこの「第五条」です。
消費者庁コラボ以外でオタク系界隈での該当例として有名なのは「限定2000個」と個数を書いて宣伝してしまったら二度と再販できない、などです。
「有利誤認」とは?
先ほど条文を引用させていただきましたが、「は?だからなんのこっちゃ?」となるかと思います。法律勉強したことがある人はわかると思いますが、条文って無駄に難しく書かれているんですよね……。
最近話題になった身近な例がありますので、そちらを紹介させていただきます。2021年4月1日より施行された「総額表示義務」です。
消費税には2021年4月1日より「総額表示義務」が課せられており、「6000円+税抜き」は現在違法です。税率が10%であれば「6600円」と記載する義務があります。
また、この「総額義務表示」について、消費者庁の見解では「税抜き表示なのに税込み表示と消費者が誤認するおそれのある表示であれば、景品表示法第5条で規制する有利誤認に該当する場合がある」と記載があります。
つまり、現在「6000円+税抜き」と記載する行為は先ほど引用した小難しい文章で書かれた法律に違反する場合もある、ということです。
コミッションではどんなときに「有利誤認」に該当するのか?
ちょうど消費者庁公式サイトにわかりやすい説明があったので、引用させていただきます。
具体的には、商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝したり、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝する行為が有利誤認表示に該当します。
有利誤認とは|消費者庁
……はい。この話、購入者は嫌というほど身に覚えがあると思います。
コミッションサービスにおいてこの消費者庁公式サイトに記載のある具体例に該当するのは「見積もりをして総額が決まったあとにその総額に対して出品者手数料として課せられているシステム手数料を上乗せした価格を値段として販売する」ケースです。
有利誤認が問題になるのは検索画面の構造のせい
最初の話をよく思い出してください。「検索画面」において、「あなたの商品がどう並んでいるか」です。
あなたの商品は「あなたが最初につけた基本価格」の値札がつけられた状態で並びます。
例として、あなたが「手数料抜きで1万円」の商品を出品したとします。出品者手数料が22%だったものとして、出品者手数料を加算すると購入者が支払う金額は「10000/0.78=12820円」となります。
コミッションサービスの検索システムの都合上、「手数料込みで1万円」の人と「手数料抜きで1万円(実際の価格は1万3000円ほど)」の人と「手数料込みで1万3000円の人」が一緒の棚に並んでしまうんです。
ここであなたが「サービス基本価格」として「1万円」を指定してサービス詳細に「手数料を負担していただきます」とした場合、この有利誤認に該当することになります。
ある商品を「手数料抜きで1万円」で出品した場合、この商品は「約1万3000円のものに対して1万円の値札がついており、1万円の人と1万3000円の人と同じ商品棚に並んでいる」状況です。
「約1万3000円」のものに対して「1万円」の値札をつける
→実際に「1万円」で購入することは不可能なため、商品・サービスの取引条件について、実際よりも有利であると偽って宣伝に該当します。
「実際の価格と同じ価格」である「1万3000円」の値札をつけて売っている人と並ぶ
→実際の価格より「約3000円」安い値札がついているため、競争業者が販売する商品・サービスよりも特に安いわけでもないのに、あたかも著しく安いかのように偽って宣伝するに該当します。
※ここでは「1万3000円の値札をつけて売っている人」が「競争業者」に該当します。
このように、「手数料抜きの価格で料金表を作成しあとから手数料を取る」行為は有利誤認の具体例に思いっきり該当してしまう形となってしまいます。
まとめ
コミッションサービスでは、必ず手数料込みで値段を設定して値段を記載しましょう!
「手数料抜きの価格で値段を設定し、出品者手数料を購入者に負担させる方法」は「有利誤認」に該当します!
なぜなら、値札通りの値段で売られていない商品が値札通りの商品の隣に並んでしまうからです。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo0.png)
総額表示義務の例がちょうどいい例だと思います。
最近違法になった話ですし書籍などでは増税したときの印刷しなおし防止のため「税抜き価格記載」が一般的だったこともありあまりなじみがないと思いますが、「総額」がどこにも記載されていないものは現在はれっきとした違法です。
コミッションサービスで手数料抜きの値段で値札を記載する行為は現在普通に「違法」に該当しますので、絶対にやめましょう。
値段を記載するときは「(オプションは抜きにして)値段通りの価格で購入者が買うことができるか?」を必ず確認しましょう。