先日は「値段のつけ方」について紹介させていただきました。
今回はたまに見られる「支払い方法ごとに手数料を加算して値段を設定している」ケースについて。
結論から言います。
「コミッションサービスの利用規約違反に当たりますので絶対にやめましょう」。
直接的に書かれているものではありませんがこの行為が原因でサービス利用停止措置が行われた事例もありますので、この記事で説明させていただきます。
どういうケースが問題となるのか
先日の「基本料金+出品者手数料は購入者負担」が「有利誤認」となり「違法」となる話の類似例となります。
※有利誤認について、詳しくはこちら
出品者手数料はコミッションサービスごとに異なります。今回問題になるのは「自分の手元に入る金額を同じにするためにサイトごとの手数料をそれぞれ計算してその額を上乗せしてサイト別に料金を設定した場合」です。
具体的には、こういう場合。太字部分が実際に記載されている内容です。
個人サイトに記載されている内容:
基本料金:3000円
※コミッションサービス経由の場合は手数料を上乗せさせていただきます。
ココナラのサービスに登録されている内容:
基本料金:4000円
つなぐのコミッションに登録されている内容:
基本料金:3200円
コミッションサービスの値札に書かれている金額で購入することができるため、有利誤認には該当しません。一見問題なさそうに見えますが、これダメなんです。
コミッションサービスの利用規約に盛り込まれている「外部誘導禁止」に該当します。法律違反はしていなくてもコミッションサービスの利用規約違反となりアカウント停止に追い込まれる場合もあります。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
実際に外部誘導とみなされてサービス強制退会となったケースがあります!
サービス利用禁止となった場合は依頼の受注口が減ってしまいますので、そうならないように事前に対策しておく必要があります。
なぜコミッションサービスの利用規約違反に当たるのか
コミッションサービスでは、「外部誘導」と呼ばれる「コミッションサービスで知り合った人に対して直接取引に誘導する行為」を禁止しています。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo0.png)
コミッションサービスでメッセージを送る際によく出る「銀行振込などへの誘導は禁止です!」というアレです。
ココナラは特に厳しいことで有名で、プロフィールや商品情報の詳細に個人サイトのURLやSNS(旧Twitter)などのアカウント名を記載しているだけでアウトです。外部誘導をしているとして運営に出品をストップされます!
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo0.png)
サンプル画像はサンプル文字を入れて掲載することが多いですが、この「サンプル文字にSNSのアカウント名が含まれていて外部誘導とみなされてサービス利用停止になった」などという事例も実際にあります!
「外部誘導の意識がなくても、そうみなされてペナルティを食らう」ことが実際にあります。今回もこのケースに当たります。
サービス運営元から見て、その行為はどう見えてる?
有利誤認のときにも触れたとおり、コミッション界隈(特にイラスト)では他の界隈では常識的にありえない行為がたびたび頻発しています。というわけで今回もコミッションサービス以外での具体例をひとつ。
今回は「スマホカバーケースを探している電機店の客」のお話。
客はスマホカバーケースを探している。この地方で最も大きい家電量販店は「活動者電機店」だが、競合店の「すずちゃん電機」が徒歩3分の立地に存在している。
客は「活動者電機店」で「2600円」の値札を見て「株式会社猫戸」製造のスマホカバーケースを購入することを決め、レジへと向かった。
レジ担当はスマホカバーケース製造会社の「株式会社猫戸」の社員であった。
![株式会社猫戸<br>社員](https://nekodosuzu.com/images/kaden_tenin17_man-150x150.png)
社員
こちらの商品ですが、「活動者電機店」では2600円ですが「すずちゃん電機」では2100円で販売しております。
弊社の直営店「猫戸カメラ」でお買い上げいただいた場合はさらにお安くしており2000円で販売しますよ。
![客](https://nekodosuzu.com/images/business_man1_1_smile-150x150.png)
あ、それなら「すずちゃん電機」で買います。
様々な店を比較することは普通にやっていると思います。客が「すずちゃん電機」も見て「すずちゃん電機」の方が安いことを確認して買う分には全く問題ありません。
ここで問題になるのは「製造元である株式会社猫戸の社員が他店で買うことをすすめている」ということです。
![活動者電機店<br>経営者](https://nekodosuzu.com/images/ojisan1_angry-150x150.png)
経営者
おい「株式会社猫戸」!何やってくれてるんだ!
もううちの店には来ないでくれ!
(内心:うちの店で営業しておいて他店で買わせてるじゃないか)
要するにこういうこと。
「こちらの方法が値段が安いよ」と外部で宣伝しているということは「誘導している」と取られるのです。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo0.png)
クリエイター都合でコミッションサービスを使っておきながらクライアントに出品者手数料まで負担させるケースがとても多いです!
今回もこのケースに該当します。
直接取引で銀行振込を支払い方法にしている場合が一番安くなることが多いこともあり、「値段を変えているケース・手数料分を値上げしていることをコミッション詳細に記載しているケース」は「直接取引および他のサービスへの誘導」だと判断されてコミッションサービスのアカウントが停止されます。
なんて理不尽な…と思うかもしれませんが、実際に停止された事例がありますのでコミッションサービスのルールには従うしかありません。
従わなければ追い出される(アカウント停止で利用禁止になる)だけです。
ではどうすればいいのか
こちらのケースも対策は有利誤認問題と同じです。
手数料が気になる場合は「手数料が低いサービスにのみ登録し、コミッションサービスを中心に活動しない」ことです。
「同一価格で販売し、手数料が低いところに依頼が来たらラッキー」と考えるしかありません。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
何度も取引している人は出品者手数料のことを知っていますので、クライアントの中には2回目からは直接依頼にしてくれる人もいます。
ただしサービスによっては「2回目以降も禁止」と明記されているケースもありますので要注意。
間違っても自分が手数料を下げたいからと外部取引に誘導しないように。過去に誘導があまりにも多発した結果各サービスとも監視体制を強化しており、一発アウトになります。
まとめ
コミッションサービスはシステムの都合上「購入者のことを考えた上で商品情報を作る」ことが求められます。
クリエイターのひとりよがりな出品は絶対にやめましょう。