たくさんの依頼が来てしまった！どうしよう！
そういうときは嫌でも「優先度」を決める必要があります。
今回はイラストレーター向けです。
イラストの場合は「依頼内容」によって優先度が異なります。
特に優先しなければならないケースについて説明させていただきます。
【何が何でも最優先】一回迷惑をかけた人、特に初依頼の人
「連絡を滞らせてしまい相手に催促させてしまった」「間違ったものを描いてしまって怒られた」など、一回迷惑をかけたクライアントに対しては最優先で対応します。
特に何度かやり取りを成立させていてある程度実績のあるリピーターではなく、新規の方（初めてあなたに依頼してくれた方）の方が優先度高めです。
なぜなら、イラストレーターとして活動していくにあたって一番大切な「信用」を失っているからです！
リピーターであれば、「以前きちんとやり取りできた人」という実績がありますので、いきなり信用がなくなることはありません。ですが、「初依頼の人」にとっては「初依頼の対応」があなたの印象になります。
ここで迷惑をかけられると「この人は真面目に仕事ができない人だな」と判断されます！
このとき大事なのはとにかく「同じ失敗を繰り返さない」こと！
初依頼の方でも一回目程度であれば許してくれるクライアントさんも多いです。でも二回、三回と同じ失敗をしているとどんどん「信用」を失っていきます。最悪「信用できないからキャンセル」を言い渡されることも。
とても酷なことを言いますが、「同じ内容・同じ納期の依頼が二つあり、どちらか片方の依頼しか納期内には終わらせられそうになく、しかも片方のクライアントには一度迷惑をかけている」場合、「一回迷惑をかけているクライアントの依頼を納期以内に終わらせ、もう一方のクライアントには納期延長の提案をする」のがおそらく一番良い対応になると思います。それくらい「一度迷惑をかけた人」に対する対応は慎重さが求められるのです。
特に初依頼であなたに迷惑をかけられた人は、あなたに対する「信用」をかなり失っています。
制作物のクオリティで納得させるしかありません。
逆に、迷惑をかけたとしても「きちんと謝罪し、納期内に納得するクオリティのものを完成させる」ことができればリピートされることもあります。
もちろん、最後にも謝罪することは忘れずに！
問題が起きたときだけではなく、最後にも謝罪することで相手からの印象が格段によくなります。
とにかく一度迷惑をかけたクライアントに対しての対応は慎重に。順番を無視してでも納期より早く完成させるくらいの気持ちで作業に取り掛からなければなりません。
【最優先】新規キャラクターのキャラクターデザイン
イラストレーターの場合、「キャラクターデザイン」から担当を任されるケースがあります。
ここで該当するのは「あなたがイチからキャラクターデザインを行い、新しいキャラクターを生み出す場合」です。ここでは衣装チェンジのみの場合は「キャラクターデザイン」には含みません。何もない状態で「髪はこの色で、目の色はこの色。服装はこんな感じで……」と指定された状態で描くもののことを指します。
特に最優先となるのは全身のキャラクターデザインを頼まれていてその使用用途が「IRIAM」など「活動用のアバター」である場合です！Live2Dのパーツ分けイラストを頼まれている場合もこちらに該当します。
なぜこのパターンが最優先なのか、その理由はキャラクターに対して「あなた」という印象がついてしまうためです！
VTuber界隈では、キャラクターデザインを担当したイラストレーターのことを「ママ」と呼ぶ風習があります。このことからもわかるように、「あなたが生み出したキャラクター」には「あなた」の印象が残りやすいんです！
とても責任の重い仕事ですので、キャラクターデザインを依頼してくれているクライアントに対して迷惑をかけるのもあまり好ましくありません。
たくさんの人から依頼を受けていて仕事がとても忙しいのはわかります。でも、キャラクターデザインはそれだけ優先しなければならない仕事なんです。
キャラクターデザインの仕事が多数舞い込んでいるときは「いつもより依頼の引き受け数を減らす」「忙しいから依頼を受けられないと新規の依頼を断る」くらいのことをしてもいいです。それくらい、真剣に取り組む必要のある案件です！
また、その依頼が「活動者のキャラクターデザイン」だった場合、そのキャラクターの新規ビジュアルなど「あなた」にしかできない依頼が舞い込むことも多いです。
リピーターとなってくれる可能性も非常に高いので、「重い仕事」ですがその分「リターン」も大きいです。
キャラクターデザインからイラストを任されるのはあなたの実力を認められたことであり、イラストレーターにとって光栄なことです。
特にVTuberのデザインは「クライアントその人の分身」とも言えるとても大切なものです。あなたの適当な対応が頭をよぎってしまい、楽しく活動できなくなるといったことも往々にしてあります。
「迷惑をかけられたあなたのキャラクターデザインを使用せず、別の人に依頼しなおしてその人のデザインを使用している」といったケースに発展することまであります。
キャラクターデザインの仕事で適当な対応をすることは絶対にやめてください。そのキャラクターを見るたびにクライアントはあなたのことを思い出すことになります。そのキャラクターのデザインを見るだけでクライアントは精神的にしんどい、そんな状態に陥ることすらあるのです。
【優先】公開日が決まっているイラスト
残りはキャラクターデザインがすでにあり決まったキャラクターを描くタイプのものとなります。（引き受けている場合は、二次創作も含む。）
その中でも納期から遅れると大変なことになりやすいのは「すでに公開日が決まっているイラスト」がです。キャラクターデザインの次に優先度が高いのはこのカテゴリです。
誕生日記念イラスト、クリスマスイラスト、年賀状イラストなどが該当します。
「特定の日」に公開することに強い意味のあるイラストは「納期に遅れる」と「できあがっていても全額返金キャンセル」となる場合すらあります！
クライアントが直前とかに慌てて依頼するケースも往々にしてあります。納期延長ができないパターンもありますので、そういったイラストは（その活動者が引退しない限りは一生残るキャラクターデザインよりは優先度低めですが）他のイラストよりは優先して仕上げていく必要があります。
まとめ
優先度をまとめさせていただきます。
最優先は「迷惑をかけた初依頼の人」。次点は「迷惑をかけたリピーター」。
迷惑をかけた人がいない場合は失敗が後々まで残りやすい「キャラクターデザイン」。特に活動者の活動用アバターは引退するまでの間ずっと使い続けることになるため要注意！
その次は納期延長が認められないことが多い「既に公開日が決まっているイラスト」。
既存キャラクターのSDイラストなどは上記の「キャラクターデザイン」、「誕生日・クリスマスなど公開日が決まっているイラスト」に比べると優先度は低くなります。
キャラクターデザインの仕事は失敗したときのダメージが大きいので、最優先で仕上げる必要があります。
優先度を間違えるとクライアントからの「信用」を一気に失うことになります。
信用を失わないように気を付けて活動しましょう。
