「依頼の優先度が決められない!」
駆け出しクリエイターで突然依頼の数が増えるとよく起きる問題だと思います。
ここで優先度を間違えると大変なことになります!場合によってはクリエイターの責任としてキャンセルに発展することも…
そこで、今回は「依頼の優先度の決め方」を解説します。
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優先度決めで問題になりやすいのは作業時間が長期化しやすいイラストレーターです。
イラストレーター向けに書いていきます。
基準を決めて「点数化」しよう!
ズバリこれです。
「優先度を数字化して高いものから順番にやっていく」です。
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自分が好きなタイプの仕事からやりたくなる気持ちはわかりますが、これは趣味ではなくお金をもらっている仕事です。「好きなものからやる」とかは絶対ダメ!
そもそもやりたくないなら見積もり時点でキャンセルしましょう。
優先度の決め方の例を紹介していきます。
基準になるのはどこなのか
こちらの記事でイラストレーターが優先するべき依頼についての解説を行いました。
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「迷惑をかけた人」「キャラクターデザイン」「期限がある依頼」と解説させていただきました。それぞれに該当するほど点数を加算していき、最も点数が高いものを「優先度が高い依頼」とし優先的に処理していきます。
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ついつい「利用用途」を加えたくなりますが、加えるのは(期限がある場合を除いて)NGです!
「影響力のある仕事」を優先してやりたい気持ちもわかりますが、後回しにした個人依頼の人から信頼を失ってコミッションサービスの評価欄に低評価を書きこまれて次の依頼が来なくなるリスクが高くなるためです!
どんなときに加算すべきなのか
「依頼内容による加算」と「相手に迷惑をかけたことによる加算」の二つに分けて紹介します。
特に「相手に迷惑をかけたパターン」は要注意!あなたがそう思っていなくても迷惑がかかっているケースが結構あります。
依頼内容による加算
ここでは「全身を描かなければいけないか、アイコンサイズでいいのか」などはいったん除外します。
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アイコンイラストは描写範囲が狭い分より精度の高い描写が求められます。
あまり依頼しない人だと個人使用目的でも数年単位でイラストが使われることもあるので「描写範囲が狭いから」と優先度を落とすのはNG!
ひとつの失敗が大きな影響を生みやすい「キャラクターデザイン」や絶対に遅れられない「すでに公開日が決まっている依頼」などが優先度高めです。
相手に迷惑をかけたことによる加算
相手に迷惑をかけた場合、その人はあなたに対して不信感を持つことになります。何度も迷惑をかけるとどんどん不信感が強まっていきますので、「迷惑をかけたら二度繰り返さない!」は鉄則。
特に「音信不通」と「納期オーバー」あたりには要注意です。
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特にあなたに対して「信用」がない初依頼の人が相手の場合は本当に気を付けてください。
例えば一度でも音信不通(指定した日に既読をつけないなど)をしてしまうとそれ以降は指定日までに連絡がなければ納期オーバー扱いされて怒られたり、頻繁に進捗を確認されたりといったことに発展します。
特に不信感を抱きやすい行動を列挙してみました。
音信不通~見積もり段階編~
見積もり段階の対応からポイント加算したほうがいいです。
というのも、「見積もり段階でのあなたの対応によっては、クライアントに迷惑をかけている」ケースがあるから。
クライアントはたくさんいるクリエイターの中からあなたを選んで依頼してくれています。あなたがダメなら他の人に依頼が回るだけです。
迷惑をかけてなお依頼してくれたクライアントには誠意をもって対応しましょう。
24時間以内に見積もりメッセージに返信しなかった
すぐに確認しなかった場合、あなたはそのクライアントに対して最初から迷惑をかけています。
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このケースが問題になりやすいのは初依頼のクライアントの場合です。
「あなたに頼むか、他の人に頼むかの検討」ができず「次」の行動を起こせないので、あなたの確認が遅れれば遅れるほどクライアントに迷惑がかかってしまっているんです。
「クライアントを待たせてしまっている」ため、100%の納品だと満足してくれないケースに発展することもあります。遅れてしまった人に対しては慎重に対応しましょう。
見積もりメッセージに対して催促が来た
↑の発展形です。
クライアントは「相見積もり」をしているケースがあります。
すぐに見積もりに対する返信がない場合、比較ができないためクライアントが困るケースに発展します。
その発展形で、1日たっても既読がつかない場合は「返信なければ見積もりキャンセル」と連絡がくるケースも。
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この連絡メッセージを何度も送ったことがありますが、このメッセージを連絡するとハッと目が覚めたようにすぐに返信が来ることが多いです。
それなら最初から確認しろよ!と内心思ってるクライアントは結構いるはず。
返信しない以上にさらに迷惑をかけていますので、このメッセージが送られてきた場合は注意して対応しましょう。
音信不通~購入以降編~
購入したあとも注意が必要です。
あなたにその意識がなくても相手の人が勝手に「音信不通」だと判断するケースがあるためです!
そう判断されやすいパターンをまとめてみました。
連絡なしによる自動キャンセルが発生した
サービスによっては取引開始後クリエイターが連絡をしなければいけないケースがあります。
ここで連絡をしないと自動でキャンセルが発生し、もう一度クライアントに商品を購入してもらうことになります。
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特にクライアントが手数料がかかる支払い方法を選んでいた場合が悲惨です。
システム上の都合ではありますが、クライアントにもう一度支払いをさせるという大幅な迷惑をかけることになります。
ここでそのままキャンセルにされるケースもありますので、このパターンには気を付けてください。
メッセージで相手に催促をされた
「予定日になったのにラフ画が来ない」などといった形で相手から催促を受けた場合は要注意。
本当にこの人は締め切り通りに提出してくれるのかな?という疑念が沸き上がっている状態です。
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オススメは前日の夜までに提出すること。日付を指定しても「その日の何時なのか」までは指定できていないため、相手の人が昼だと思っているケースがあります。
人によっては昼に催促が来ますので、遅くても当日の対応時間最速で提出しましょう。
このメッセージが来た時点ですでに相手の信用はだいぶ落ちているので要注意。
早め早めで行動していきましょう。
期待値系
迷惑をかけたわけではありませんが、優先度が高くなるケースがあります。
商品情報に具体的な内容と金額が記載されていないオプションが発生した
※相手がサービス詳細に書いていないものを注文してきた場合を除く。
クライアントは料金表を見てある程度予算を計算した上でクリエイターに見積もり依頼を出しています。
「だいたいこれくらいだろうな」と思って声をかけたのに、実際に返事が来た金額はもっと高かった!みたいなケースが該当します。
このパターンに該当する例としては、「どんなときにキャラクターデザイン費が発生するのかが記載されていない」→「実際はキャラクターデザインなしだとどんな場合でも費用請求で、さらに追加料金対象のデザインになっていたために1.3倍になってしまった」などです。
例えば「3000円」増えたとして、「3000円」だとそれこそミニキャライラストを1枚依頼できたりします。
「クライアントに想定外の出費をさせている」ため、迷惑をかけています。
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クライアントに対して「おひねり(Boost)」を強要している状態です。
あなたに余計に期待値がかかりますので、100%のものを出しても納得してくれません。
加算された金額分のクオリティを出せなければガッカリされます。
あなたの心の中では基準が決まっていても、商品詳細に書かれていなければクライアントの想定外になります。
「商品詳細に具体的な金額が書かれていないものを見積もりに含んだ」場合は「クライアントに経済的な負担を強要している」状態になりますので、一度の失敗も許されないとみていいでしょう。絶対に失敗ができない依頼になりますので、優先度が高くなります。
納期オーバー系
クライアントの今後の予定を狂わせているので、このタイプの迷惑をかけた場合は最優先となります。
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「1ヶ月前から友達を映画に誘っていてチケットまで買っていたのに当日数時間前にドタキャンされた」とか、そういうたぐいの迷惑をかけています。
もちろん体調不良など不測の事態で納期を守れなくなるケースはありますが、それも繰り返していると言い訳にしか聞こえなくなります。たいていは余裕をもって日程を組んでいると思いますが、絶対に繰り返さない覚悟で依頼に取り掛かりましょう。
いつ連絡したかが大事!
納期オーバー系はいつ連絡したかが重要です。
一週間くらい前にクリエイターの方から打診があった場合はクライアントも予定調整がしやすくなります。
ですが、例えば最終納期当日に「遅れます!」と言われるととても迷惑なんです。なぜなら、予定を変えようにも変えられないから。
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結局、そのあとに作業するデザイナーなどの方がその埋め合わせのために苦労することになります。
一週間前に言ってくれたら調整できたのに!というケースに発展することは多々ありますので、「納期オーバーは確定したタイミングで連絡する」のが大切です。
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納期をのばしてくれたクライアントは神様のような存在です。
遅れているのは事実ですので、遅れを取り戻すという意味でも最優先で作業しましょう!
一番最悪なのは納期オーバーした数日後にクライアントから「あれどうなりました?」と確認メッセージが入るパターンです。
ここではじめて納期を思い出す人もいるとか、いないとか……。
提示予定オーバーの打診を行った
「ラフ画10日までに出すって言ってたけど間に合いそうにないので15日にしてください!」など、各工程に対する提示予定をオーバーすることです。
ラフ画の提出予定日などは中間納期ですので最終納期にさえオーバーしなければ許してくれるクライアントも多いです。ですが、作業が遅れているのは事実ですのでクライアントに迷惑をかけています。
そのため、クライアントに迷惑をかけたとして加算します。
最終納期オーバーが確定した
いわゆる「納期を落とした」状態です。絶対に避けなければならない事態ですので、当然起きてしまった場合は最優先です。
「最終納期オーバー」中はオーバーしている依頼を最優先で対応しましょう。
具体例
「依頼内容による加算」と「相手に迷惑をかけたことによる加算」に分けて設定します。今回はこのように設定してみました。
依頼内容による加算
キャラクターデザインからの依頼である:20点
公開日がすでに決まっている依頼である:10点
相手に迷惑をかけたことによる加算
※「1回発生ごと」に加算するものとする
24時間以内に見積もりメッセージに返信しなかった:3点
見積もりメッセージに対して催促が来た:5点
見積もり時点で相手が提示した納期に対し変更を打診した:5点
商品情報に具体的な内容と金額が記載されていないオプションが発生した:10点
※ただし、相手がサービス詳細に書いていないものを注文してきた場合を除く
連絡なしによる自動キャンセルが発生した:20点
メッセージで相手に催促をされた:5点
提示予定オーバーの打診を行った:提示予定日の1週間以上前に自分から連絡した場合は5点、そうでない場合は20点
最終納期オーバーが確定した:1週間前に自分から連絡した場合は50点、そうでない場合は100点
最終納期をオーバーしている:最終納期から1日遅れるごとに100点ずつ加算
上記をすべて加算し、「相手に迷惑をかけたことによる加算」の該当回数を掛け算したものを「相手に迷惑をかけた点数」とする。
実際に計算してみた例
例えば「キャラクターデザインの依頼に対して2回催促されている場合」
「20+(5+5)*2=40点」です。
これに対し、「キャラクターデザインの依頼に対して迷惑をかけていない場合」
「20点」です。
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迷惑をかけた相手には「ごめんなさい!」と謝ることを忘れずに!
相手に迷惑をかけた影響の大きさ(特に音信不通と納期オーバー)を考慮して「最も迷惑をかけているであろう人」から対応していきましょう!
まとめ
絶対にやってはいけないことは「最終納期オーバー」です。
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キャパオーバーになりそうなら依頼を最初から断ることも検討しましょう。
無理して受けて納期オーバーを発生させる・途中キャンセルになるとあなたの印象が悪くなりますので逆効果です!
余裕をもって依頼制作に取り掛かりましょう。