「活動者」と聞いてまず思い浮かぶのは「VTuber」だと思います。
「VTuberになりたい!」と思ってもすぐにデビューはなかなか難しい話です。というのも、「必要なもの」が意外とたくさんあって、それを用意するのにとても時間と労力がかかるからです。
個人勢VTuberを追いかけている人の場合「VTuber準備中」となっているSNSアカウントを見たことがある人も多いのではないでしょうか?
「準備中」のままデビューまでだいぶ日程があいていたりすることも多いかと思います。それにはちゃんとした理由があります!
今回は、「VTuberデビューに必要なもの」と「スケジュールの考え方」について解説させていただきます。
そもそも何が必要なのか?
VTuberデビューに必要なものは大きく二つに分けることができます。「配信に必要なもの」と「キャラクター作り」です。
まず、「配信に必要なもの」はこんな感じ。
機材(パソコン、マイク、カメラなど)
トラッキングソフト(「VTube Studio」など)
次に、「キャラクター作り」で必要になるものはこんな感じ。
Live2Dモデル
ネームロゴ
ヘッダー
キービジュアル(全身一枚立ち絵など)
配信画面(雑談、歌枠、ゲーム、などなど)
サイン
「配信に必要なもの」は既製品をそろえていく形になりますので、(お金さえあれば)その気になればすぐに揃えられます。
VTuberの準備において特にイメージがつきにくいのは後者の「キャラクター作り」ではないでしょうか。
VTuberのスケジュールは「キャラクター作り」がどこまで順調に進むかで大きく変わってきます!
今回は「キャラクター作り」に必要なものについて解説させていただきます。
どこまでを自分でやるかを考える
まず、どこまで自分でやれるかを考えます。
自分でイラストを描ける場合は自分でキャラデザインをするという手がありますし、デザイン関係はフリー素材が充実しているためフリー素材を組み合わせる方法もあります。
多くの人は誰かに依頼することになると思うので、以下は「キャラクター作りに必要なものをすべて誰かに依頼してVTuberデビューする」ことを前提に話を進めます。
大まかなスケジュールを決める
まず、大まかなスケジュールを決めます。
いつ公表するのか?
いつデビューするのか?
といったことです。
もし迷った場合は初公表日(「VTuber準備中」としてアカウント作成をする日)を今から「1年後」に設定します。
すず
え、1年後って長くない?
と思うかもしれませんが、それくらいで「ちょうどいい」です。
というのも、スケジュールは確実に遅れるから。
スケジュール関係で有名な話
おそらくスマホゲームをやったことがある人は一度は聞いたことがある話だと思います。
「ソシャゲのイベントは半年前には仕込んでおく」。
そうしておくことでもしスケジュールから遅れたときにまだ取り返しがつくからです。これがもし直前まで作業をしているとなると、リリース延期とかになります。
開発開始で初公表しちゃうから出すころには熱が冷めてるとかいつまで開発してんだとか言われている某ゲーム開発会社の某開発事業部の話なども有名かと思います。
(社名は伏せていますが、わかる人はどこの会社の話かすぐわかると思います。)
よくあるトラブル
最近見かけた事例を紹介。
太ももから上の1枚絵のイラスト依頼でトラブルが続出してキャンセルを繰り返し最終的に8人目で完成。イラスト完成までにかかった日数は10ヶ月で価格は当初の予算の3倍以上に。
しかもクライアントが悪質だったとかそういう理由では全くない……。
依頼内容も掲載されていたため見させていただきましたが、当初の予定通りで終わっていれば1ヶ月くらいで終わるはずの依頼です。
おすすめスケジュール
すべての準備を依頼で済ませる場合はこのスケジュールがおすすめです。
なお、日程に関してはクリエイターのスケジュールなどよっても異なってきますので、ここでは明確な日時は記載していません。
キャラクターデザイン+全身立ち絵作成(キービジュアル用として使用します)
↓
Live2D作成(モデリングまで)
↓
必要な場合、ミニキャラ制作
↓
ロゴデザイン
↓
配信環境準備(ゲーミングPCの用意など)
↓
ここで初公表日とデビュー日を決定する
↓
X(Twitter)アカウント作成、Vtuber準備中を初公表
↓
必要な場合、その他デザイン(サイン、配信画面など)
↓
デビュー!
活動者として活動していく場合、全身立ち絵が一枚あると何かと便利なため「まずキャラクターデザインとキービジュアルに使用する全身一枚絵の作成を行い、そのデザインをもとにLive2Dモデルを作成していく」スケジュールを組んでいます。
この場合、キャラクターデザインの担当は「一枚絵を制作したイラストレーター」となります。
そのため、一段階目の「キャラクターデザイン+全身立ち絵作成」を行ったクリエイターが「ママ」、二段階目のモデリングを行ったクリエイターが「パパ」です。
初公表は最低でもイラスト系が終わってから。特にトラブルが多いのはイラスト系ですので、まずはイラスト系を全て完成させることを目標にしましょう。
イラストレーター探しだけで1年経過とかそういったことも「普通に」あるので要注意!イラストが完成してからスケジュールを考えるくらいでちょうどいいくらいです。
予算の考え方
キャラクター作りの依頼は個人クリエイターと直接値段交渉をする形になりますので、必要金額が読めなくなりがちです。
配信環境の準備は(自作PCを用意するとかでなければ)既製品を買うだけなのであとからでOK。ロゴまでの依頼に必要な金額は読めないため、まずは不確定要素を確定させてから残りの金額で機材を選びます。
そうすることで突然お金が払えなくなるリスクが減ります。
デビュー前にある程度予算を決めていると思いますが、「まずは依頼を済ませて残りの金額をPCに当てる」くらいのマインドで。とにかく最優先は「Live2Dモデルの完成」です。
デザイン依頼はイラストが「終わってから」発注!
圧倒的にトラブルが多いのはイラストの依頼です。(作業時間が他より長いため。)
デザインを依頼する場合はイラストが完成してからイラストを参考資料として提出した上で依頼しましょう。
人気デザイナーの場合、2ヶ月先に着手などといったこともよくあります。
ただ、先に予約しておくことは非推奨です!イラストの依頼はトラブルが本当に多いので、デザイナーの予約がキャンセルになってしまう事例が多発しています。
2ヶ月待ちの間に機材の用意など他の準備を進めればOK。
トラブルになったときのダメージが大きいため、セット依頼は避けたほうがいいです。単品で順番に揃えていきましょう。
人によっては別々に依頼した場合でもセット依頼扱いにしてくれることもあります。
デザインが完成すれば「キャラクター作り」に必要なものが全て揃います。これでやっと「VTuberデビュー」ができる状態になります!
まとめ
VTuberをやってみたい!と思っても必要なものが意外と多くてびっくりした方も多いかと思います。
とにかく予算とスケジュールには余裕をもって!
イラスト系が完成すれば一安心できますので、イラスト完成を目標にしましょう。詳細な日付を決めるのはそれからでも十分に間に合います。