先日イラストレーターの稼ぎ方について解説させていただきました。イラストレーターの活躍の場としてはコミッションが主流ですが「キャラ販売」という方法もあります。
今回はその中でも特にメジャーな「SKIMAにおける全身立ち絵販売」について説明させていただきます。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
ほかのサイトでもキャラを売ることはできますが、全身立ち絵のキャラ販売についてはほぼ「SKIMA」で取引されている印象です。
そのため、この記事では「SKIMA」で売るものとして説明させていただきます。
そもそもキャラ販売って?
キャラ販売とは、イラストレーターが全身立ち絵などの「既製品」を作成し、「できあがったもの」として販売する方法です。アドプト(adopt)とも呼ばれます。
販売されている形式はほとんどが「全身立ち絵かモデリングまで済ませたLive2Dモデル」です。
今回はそのうちの前者のメジャーな売り方である「SKIMAの立ち絵販売」について紹介させていただきます。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
SKIMAではアイコンイラストを売っている人もいますがほとんどが全身立ち絵+表情差分つきです。これには理由があり、全身立ち絵のキャラ販売に需要があり、アイコンイラストよりも買い手が見つかるからです。
SKIMAのキャラ販売ではほとんどの出品が全身立ち絵です。当記事も全身立ち絵を売るものとして説明させていただきます。
で、売れるの?
ものによっては秒速で売れます。
1時間前の出品なのにすでにSOLD OUTになっている!といったことも多々あります。嘘みたいな話ですがこれはほんとマジです。
でも売れていないものはずっと売れていない印象もあります。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
需要があるもの、ファンがついているクリエイターのもの、(獣人系など)珍しいものに関してはすぐ売れている印象です。
逆にそうでなければ値下げしてもずっと売れないままといったこともあります。
新着を数ページめくってみた感じだと、「買い手はどんな時に使うのか」を意識している立ち絵は即売れています。
どんな時に使うの?
キャラ販売をよく使うのは「TRPGをやる人」「同人ゲームを作っている人」です。だいたいこんなときに便利です。
![TRPGプレイヤー<br>すず](https://nekodosuzu.com/images/suzu33.png)
すず
友達に誘われてココフォリアで明日セッションすることになってしまった。しかも今までやったことがないシナリオだ。
明日までに立ち絵を用意しないといけない……今から準備していては間に合わない、どうしよう……。
![RPG制作中<br>すず](https://nekodosuzu.com/images/suzu13.png)
すず
RPG Maker(旧名:RPG ツクール)でRPGを制作中。
将来的に有料販売したりする予定なので、著作権譲渡をしてほしい。
でもフリー素材立ち絵を使うのは嫌だな……。
「TRPGプレイヤーすず」の例はイラストレーターがどう頑張っても納期には間に合わないパターン。「既製品の立ち絵が商品棚に並んで売られている」キャラ販売から立ち絵を選んで買えばすでにできあがっているためそのままTRPGセッションに参加することができます。
「RPG制作中すず」の例は「著作権譲渡」を前提として1点モノのイラストを探しているケース。ゲーム系は登場人物の数だけ立ち絵が必要になるため、同じイラストレーターでテイストを揃えたい場合などにも便利。(これをコミッションで揃える場合、年単位でイラストレーターのスケジュールを押さえる必要が出てきたりします。)
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
キャラ販売は特にTRPGプレイヤーに需要があります。
流行っているTRPGシナリオのセッションに必要な役柄の立ち絵が売れやすかったりといった傾向があったりも。
「すぐに立ち絵を用意しないといけないけど今から依頼していては間に合わない!」みたいなときに使われるケースが多いですが、「売られているキャラがとてもいいからコレクション用に買っちゃった!」みたいなケースもあります。
コミッションを受注している人の場合、そこからコミッション依頼に発展することもあります。
キャラ販売時の注意事項
全身立ち絵の場合SKIMAでの販売がほとんどですので、SKIMAの場合として紹介させていただきます。
キャラ販売の注意事項
SKIMAでキャラ販売に出品いただく商品は、必ず下記すべての条件を満たしている必要があります。
1キャラクターを自分が作っていること
自分で作ったキャラクターであっても、服装が他のユーザー等、他のクリエイターやファッションブランドのデザインと同じである等、著作権を侵害しないようご注意ください。
2キャラクターであること
人物、動物、架空の生物等、キャラクターを販売してください。
背景や物のイラストは、キャラ販売(Adopt)に出品することができません。3キャラクターの著作権を持っていること
4他者へ販売、譲渡していないキャラクターであること
自分が制作したキャラクターであっても、他人に販売、譲渡等を行ったキャラクターは、キャラ販売(Adopt)に出品することができません。キャラ販売では購入者に著作権を譲渡することになるためです。
販売、譲渡した相手の方に、著作権を譲渡していなくても、トラブルになる可能性がございますので、ご遠慮ください。5販売するキャラクターを自らで使用していないこと
キャラ販売では購入者に著作権を譲渡することになるため、自ら使用しないようお願いします。
ご利用ガイド|SKIMA
実績としてポートフォリオへ掲載を行う可能性がある場合は、商品の内容にその旨を記載してください。
【例】実績としてポートフォリオに画像を掲載する場合がございます。
![](https://nekodosuzu.com/c2Y4exV8/wp-content/uploads/cocoon-resources/blog-card-cache/91d0b2af91a6027bbdc90a86c3df3afd.png)
超ざっくりまとめると
- オリジナルキャラクターで自分でデザインしたもの以外は売れない!
- 著作権譲渡は必須!
- 中古品は出品禁止!
こういうことです。
特に注意しなければいけないのが三番目で、「イラストレーター自身がTRPGプレイヤーであり、自分がセッションに参加したときの立ち絵をそのままキャラ販売にする」ケースが後を絶ちません!
上記出品時にも提示される注意事項にある通り、「SKIMAのキャラ販売に出品するにあたっての規約」を守っていない出品となります。運営にバレたらアカウント停止になる可能性がありますので、絶対にやめましょう。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
SKIMAでは他サービスと違ってSNSアカウントの記載が禁止されていません。
そのため、「過去に同じ立ち絵を使ってセッションに参加している場合」、過去のSNS投稿から立ち絵ディスプレイやセッション感想投稿などが見つかりそこから「中古品だ!」とバレるケースがあります。
購入者の方がそこから中古品だと知って頭を抱えたというケースも往々にしてあります。クトゥルフ神話TRPGでキャラロスト(=死亡)している探索者のイラストをキャラ販売に出していたなんて実例があったりもします。
トラブルの元ですので、「中古品」は出品しないようにしましょう。(特にロストしたキャラクター。新品だと思って買ったらもうすでに死んでいたため世界観上大変よろしくない!みたいなことが起きやすいです。)
著作権譲渡はしたくない!という人へ
著作権譲渡はしたくない人はBoothなどで「フリー素材」として販売する方法があります。
ただし、こちらの場合1枚あたりの相場はかなり安めです。
![猫戸すず](https://nekodosuzu.com/images/nekodo1.png)
ざっと見た感じ1枚200円くらいです。
(キャラ販売の場合は8000円~10000円くらいです。)
「星宝転生ジュエルセイバー」など商用利用可能な立ち絵が無料配布されているコンテンツが多数あり、そのあたりと競合してしまうためです。
フリー素材販売の場合よほど立ち絵が売れない限りイラストレーターに入る金額が相当低くなることは覚悟しておきましょう。
まとめ
立ち絵キャラ販売は「今すぐに立ち絵が必要だが用意ができない人」「著作権譲渡前提でイラストを探している人」などに需要がありますが、著作権譲渡が必須であるためクリエイター側からするとリスクがある方法でもあります。
「キャラデザインに慣れている人」「すでにTRPGをやっている人」などにオススメです。