クライアントからキャンセル希望が来ることがあります。
ここで対応を間違えると大変なことになります!
キャンセル希望。とてもショックだと思います。
「クライアントが悪い例」と「クリエイターが悪い例」の両方があります!
対応を間違えると弁護士沙汰になることもありますので、気を付けましょう。
よくあるキャンセル例
クライアントは11月30日を納期としてクリエイターにイラストを発注した。商品情報にはこのように書いてある。
<商品情報>
入金後のキャンセルは一切受け付けません。
現在12月1日。クリエイターからの連絡は途絶えており仕上げイラストが届かない。
仕方ない……キャンセルするか……。
クライアントは「納期までにイラストが届かないために」キャンセルを希望した。
ダメな例
まずダメな対応の例を紹介します。ズバリコレです。
着手後のキャンセルは不可となっております。
どうしてもというならクライアント都合のキャンセルとなりますので、キャンセル料として依頼料金の全額をいただきます。
はいこれ、クライアントによっては訴えられます!!
オッケーな例
今回は「クリエイターであるあなたのほうに」問題があってキャンセルを言い出されているケースです。
今回のケースの場合、原因は「クリエイターの納期破り」です。クライアントが無茶な要望をしていたとかならともかく、そうではありません。
ですので、キャンセルとして全額返金とするのが正しい対応です。
特に「着手以降はキャンセル料を取る」としている人ほど要注意!
この場合のように、あなたが払わなければいけないケースがあります。
この場合のクライアントは被害者です。100%クリエイターが悪いのでクリエイターが返金しなければなりません。
悪いのは誰?
キャンセル料を取るかどうかについて、重要なのはこの観点です。
悪いのは「クライアント」なのか「クリエイター」なのか。
「クライアント」である場合はキャンセル料を取るべきですが、「クリエイター」の場合は無償キャンセルで対応しましょう。
え?でも仕事したんだけど?だから仕事に対してお金払ってほしいんだけど?
イラストレーターの仕事とは何かを思い出してください。
「クライアントが求めているイラストを提供する」ことがあなたの仕事です。完成してはじめてお金をもらえます。
たとえあなたが成果物を出していたとしても、見当違いのものを出していたのであればイラストを描いていないも同然なのです。
<活動者食堂>
「うどんとそばの店です。どちらも500円!」と書いてある。客はうどんの食券を購入し、店員に食券を提示した。
そば粉アレルギーがあってそばは食べられないんです。
なのでうどんを1つください。
客はうどんの食券を提示した。そして10分後……
できました。こちらでいかがでしょうか?
うどんの食券を出しましたよね。そばは食べられないので作り直してください。
作り直しですね。わかりました。
でも作ったそばの原材料費は払ってください。500円になります。
だいたいこれくらいのこと言ってます。常識的におかしいですよね。
ごめんなさい作り直します!
で許してくれる方もいらっしゃいますが、たいていはキャンセルにされます。イラストなど作業時間が長いものだと食堂の注文とは比べ物にならないくらいクライアントは待たされているためです。
食堂の注文:長くても10分
イラストの仕事:キャンセル時点で1ヶ月たっていることはザラ、場合によっては年単位になることも
食堂の注文なら許してくれることが多いと思いますが、イラスト依頼の場合は許してくれた場合は聖人だと思っていいです。……もっとも、許してくれたとしても次の仕事は二度と来ないでしょうけど。
よくあるケースまとめて紹介
よくあるキャンセル理由を4つまとめて紹介。全て取引開始後、つまりクライアントがコミッションサービスに対して購入処理を終わらせたあとを想定しています。
クリエイターが悪いのか、クライアントが悪いのかを確認するところからスタートしましょう。
「もう納期に間に合わない」
見積もり段階で取り決めた納期からの前倒しなど無理な納期を提示された場合やクライアントの返信がなく次の工程に進めなかった場合はクライアントに責任がありますが、見積もり段階で取り決めた納期に間に合わない場合はクリエイターであるあなたが悪いです。
クライアントはクリエイターから提示された納期を見て今後のスケジュールを組んでいます。
特に商業案件などの場合はあなたが納期から遅れることであなたの「あとに」作業する人が大幅に苦労します。
クリエイターにとっては一度作品を作ったらそれでその作品との付き合いは「終わり」ですが、クライアントにはその「先」があります。納期は必ず守りましょう。
クライアントが悪い場合を除き、納期を破った場合は「リピート」はされません。イラストがたとえ完成していたとしても「キャンセル」とされる場合すらあるでしょう。
それくらい納期を守ることは大事です。
「要望と違う」
テンプレートに対して見当違いなイラストを出してしまった場合はクリエイターの責任です。
特にイチから描き直しレベルの間違いをしてキャンセルになる場合、お金を取りたくなる気持ちもわかりますが「クリエイターが間違えたこと」が原因ですので、クライアントは全く悪くありません。
逆に「着手したあとにテンプレートと全く違う作品にしてほしい」と言われた場合は追加料金を取っていいです。それはリテイク・キャンセルの問題ではなくただの「別件の依頼」、すなわち追加注文です。
「手抜きを指摘された」
このパターンの場合はクライアントが期待しすぎているケースもあります。
ここで基準になるのは「サンプルのイラストのクオリティ」です。なぜならクライアントは依頼先を決めるにあたって「クリエイターの力量をサンプルで判断するしかない」から。
特に外部SNSなどのURL掲載が禁止されている場合は要注意!たいていは「サイトの中にある情報」だけで判断されています。
掲示しているサンプルとよく見比べた上で、「サンプルと同じくらいのクオリティ」が確保できていない場合は手抜きですのでクリエイターが悪いです。具体例としては「ラフからズレている」、「塗り残しや下絵の線の消し忘れが大量にある」、「素人が見てわかるレベルでイラストのバランスが取れていない」などです。
特に線引きが難しいパターンですので、必ずお互いの認識を確認したうえで対応しましょう。
もちろん、ほかの人のイラストを勝手にサンプルにしていた場合はクリエイターが悪いのでキャンセル料を取ってはいけません。というか、サンプルにしているイラストを描いた人に大迷惑がかかっていますので、今すぐにサンプルを変更しましょう。
「イラストが不要になった」
クライアントが100%悪いのでキャンセル料を取ってもいいです。むしろ取るべきです。
ただし、「クリスマス用イラストで11月30日が納期になっており、12月の公開に間に合わないから必要なくなった」などといったケースの場合は「納期に間に合わない」に該当します。
まとめ
キャンセルを言い渡されるときはクリエイターであるあなたが信頼されていないパターンが大多数です。
特にクライアントが怒っている場合はクリエイターが悪いケースがほとんどです。9割ほどはクリエイターが悪いです。
明らかにクライアントが悪い場合を除いて、とにかくまず謝ることを忘れずに!